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臨床研究

医療従事者様を対象とした、睡眠時無呼吸症候群や在宅酸素療法に関する
臨床研究をご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群

自動的持続陽圧呼吸療法(auto continuous positive airway pressure)管理中に低呼吸指数の上昇とチェーンストーク呼吸を来し、陳旧性心筋梗塞と慢性心不全が判明したため、順応性自動制御換気(adaptive servo-ventilation)を導入した睡眠呼吸障害の1例

著者:松吉秀武 医師、 山田卓生 医師、小川晋太郎 医師、後藤英功 医師、 川上和伸 医師

出典:耳鼻と臨床 68巻1号: 61-68, 2022

概要:閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP使用と鼻閉改善手術を施行することにより無呼吸、低呼吸を制御できていたにもかかわらず、CPAP開始から12年後に急激に低呼吸の上昇を来し、チェーンストーク呼吸を認めた。陳旧性心筋梗塞、慢性心不全と診断され、冠動脈手術後にも中枢性無呼吸が持続するためにASVを導入した比較的まれな睡眠呼吸障害の1例を経験したので報告する。症例は77歳、男性。昼間の眠気を主訴として受診。簡易無呼吸検査にて無呼吸低呼吸指数が44.0でありCPAPを開始した。約8年前より緩徐な脈圧上昇と急激な低呼吸の上昇を来した。またチェーンストーク呼吸を認めた。陳旧性心筋梗塞、慢性心不全により中枢性無呼吸へと移行したと考えた。冠動脈手術を施行されたが、心機能、無呼吸が回復せず、ASVを導入し無呼吸低呼吸指数は9.9となり、ASV管理を行っている。CPAP使用中の症例に対しては、無呼吸低呼吸指数を診るのみではなく低呼吸に変動がないか、チェーンストーク呼吸など生命に危険を及ぼす呼吸状態がないかを慎重に診ていく必要があると考えられた。

自動的持続陽圧呼吸療法(auto continuous positive airway pressure)管理中に脈圧、低呼吸指数が上昇し大動脈弁閉鎖不全が判明した睡眠呼吸障害の1例.

著者:松吉秀武 医師, 後藤英功 医師, 山田卓生 医師

出典:耳鼻と臨床 66巻3号: 74-78, 2020

概要:CPAPを使用することにより無呼吸、低呼吸を制御できていたにもかかわらず、脈圧と低呼吸の上昇を来たし、大動脈弁閉鎖不全と診断された比較的まれな睡眠呼吸障害の1例を経験したので報告する。症例は63歳、男性。昼間の眠気を主訴として受診。簡易無呼吸検査にて無呼吸低呼吸指数が41.1でありCPAPを開始した。約4年後より徐々に脈圧と低呼吸の上昇を来した。原因は大動脈弁閉鎖不全と、それに伴う左心不全と考えられた。さらに睡眠中に臥床状態となるため、下肢から心臓に戻る静脈還流が増加し、肺がうっ血状態となり、肺における迷走神経を刺激し、過換気反射を誘発した。このためPCO2が減少し、呼吸を刺激するレベル以下になり呼吸中枢が抑制され、低呼吸が増悪したと考えられた。CPAP使用中の症例に対して、無呼吸の経過を診るのみではなく脈圧、低呼吸に変動がないかを慎重に診ていく必要があると考えられた。

耳鼻咽喉科無床診療所における自動的持続陽圧呼吸療法 (autocontinuous positive airway pressure)管理についての臨床的検討

著者:松吉秀武 医師・後藤英功 医師・山田卓生 医師

出典:耳鼻65:167-174,2019

概要:無床診療所である当院にて導入したauto CPAP 症例の長期継続に影響を与える因子について臨床的検討を行った。全体の継続率は1年後で83.7%、5 年後で70.6%、10 年後で60.0%であり、過去の報告と比較してやや良好であった。離脱は137 例でありマスクが原因であった症例が81 例(59.1%)であった。このうち、鼻閉が19 例と最も多くを占めていた。そのため鼻閉改善手術の有効性について検討した。鼻閉の自覚がなく鼻閉改善手術を未施行の症例(A群442 例)と、鼻閉があり手術を施行した症例(B 群47 例)と、鼻閉があるが同手術未施行症例(C 群29 例)を比較検討した。8 年後の継続率はA 群で62.8%、B 群83.9%、C 群で25.6%であった。鼻閉改善手術を施行したB 群において有意差をもってCPAP 継続率が高値であった。CPAP 継続率を高めるには鼻閉改善手術を含めた鼻閉の管理が重要であると考えられた。