仕事や治療継続中の生活に気を付けておくべきことがあります。
睡眠時無呼吸症候群の診断を受けた場合、患者さんは仕事や治療継続中の生活に気を付けておくべきことがあります。
9つの研究分析(1)によると、持続的陽圧呼吸療法(CPAP)による治療は、睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気を低下させるため、車の交通事故率を減少させます。
睡眠時無呼吸症候群が及ぼす健康や日常の活動への影響のため、一定の義務を守ることが必要です。例えば、自動車運転による移動の多い職種や、保険や金融関連においては特定の行政機関によって条件が課せられることもあります。
仕事
睡眠時無呼吸症候群の患者様にとって、次のような仕事は注意が必要です。例えば、車の運転、高所での作業、高度の注意力を要する作業など、眠気があると危険である職種の場合です。
日本では、平成26年度から道路交通法の一部が改定され、睡眠時無呼吸症候群患者の運転や免許交付においての制度が設けられています。また、該当するか否かを判断するための質問票に、病気の症状があるのに虚偽の回答を行った場合は、罰則を科すとされています。(2)
また、特定の状況においては、雇用主や保険会社・銀行などに対しても、睡眠時無呼吸症候群を患っていることを申し出る必要性がある可能性もあります。
継続的な治療と医療保険制度
持続陽圧呼吸療法(CPAP)は保険適応とされています。保険による治療を受ける場合は、治療の遵守に関して特定の条件を満たす必要があります。詳しくはかかりつけの医師に相談しましょう。
保険と銀行融資
保険会社や金融機関が健康に関する質問フォームへの記入を求めることがあります。アンケートへの回答に法的な義務はありませんが、回答を拒否した場合、銀行や保険会社が要求を拒否する可能性があります。虚偽や、睡眠時無呼吸症候群であることを申告していなかった場合、契約や融資がキャンセルとなる可能性もあるため、注意しましょう。
このページでは、禁止事項や法律で決められた義務を全て網羅しているわけではありません。詳しくは、医師やサービス提供者に確認しましょう。
出典
(1) Tregear S; Reston J; Schoelles K; Phillips B. Continuous positive airway pressure reduces risk of motor vehicle crash among drivers with obstructive sleep apnea. SLEEP 2010;33(10):1373-1380.
(2) 道路交通法の一部を改正する法律の施行に伴う交通警察の運営について(警察庁),https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu.html, を加工して作成